介護職における転職では、同職種の中で、他の会社や事業所へ転職を繰り返すケースも珍しくありません。特に人材不足で知られる介護職の場合には、より勤務条件の良い介護施設や医療機関あるいは福祉事業所への転職も目立ちます。そこで、介護職の経験者が同職種で転職を目指す場合、履歴書や面接で述べる志望動機のポイントについて、ここでは説明しましょう。まず介護職の経験者にありがちなのが、知識や経験を述べて即戦力としてアピールさえできれば、採用には有利だと思い込んでいることです。確かに未経験者と比べれば、有利になる部分もあるかもしれません。しかしこの過信こそ、転職への失敗を招きかねないのです。採用者側からみると、同じ業界で転職を繰り返す者ほど、自社とのマッチングに疑念を強め、採用には慎重になるからです。例えば前職場のどのような点に不満があったのか、転職することでそれは解決するのかなど、未経験者よりも厳しく追求することになります。もしこれに不明瞭な点があれば、採用も見送られてしまうことがあるのです。したがって介護職の経験者こそ、志望動機を述べる際には、細心の注意が必要です。
では実際に、どうのように志望動機を述べるべきなのでしょうか。最も大切なポイントは、応募先の特性にふれた上で、それが前職では満たされなかった点を、具体的に示すことです。例えば、前職では扱えなかった介助ケースや、担当できなかった介護事務手続き。あるいは活かせなかった介護資格など。そして応募先であればそれらが満たされ、さらにステップアップできることを強調するのが理想的です。ただし、決して前職に対する批判や不満とならないように、上手な言い回しを心がけるべきでしょう。